聖火リレー妨害について

北京五輪の聖火リレーが７日、厳戒下のパリで行われた。前日のロンドンに続いてチベット暴動鎮圧などで中国政府を非難するチベット人や人権団体などが激しい抗議行動を繰り広げ、大混乱となり、リレーが途中で打ち切られる異常事態となった。中国国営新華社通信はリレーの途中で聖火トーチの火が２度、消されたとし、北京五輪組織委員会の「安全上の理由で消さざるを得なかった」との談話を伝えた。

警察官ら約３０００人が動員される中、聖火ランナーは同日正午すぎ、パリ中心部のエッフェル塔を出発。数十人に守られながら走ったが、沿道からは罵声（ばせい）が浴びせられ、人権団体のメンバーらが進路の路上に横たわるなどリレーが予定通り進まない事態に陥り、ＡＰ通信によると、計２８人が拘束された。

出発から約１時間後には、混乱のためトーチの火を消して、聖火ランナーがバスの中へ一時避難。ＡＦＰ通信によると、トーチの火は、先月ギリシャで採火された「聖火」から分けられたもので、別の容器に保管されているもとの炎は消えていないとされる。

さらに、当初予定されたコースは、中国人街に近い競技場を最終地点とする２８キロだったが、最終約５キロを残してリレーが打ち切られ、聖火はバスで運ばれた。

聖火ランナーらは仏五輪委員会が作製した「よりよい世界のために」と刻まれたバッジを胸につけ、中国政府への抗議を示した。コース上のパリ市役所にも「パリは世界中の人権を守る」との横断幕が掲げられ、国民議会（下院）前では議員約４０人が中国政府への抗議デモを行った。

世の中には善と悪がきれいに分かれるようなことはないと思うけど、歴史あるオリンピックの聖火が途中で切れるということはすごく悲しい出来事だと思う。